優良なシステム開発会社の見極め方|担当者が確認すべき項目まとめ
- atsu wada
- 2025年9月22日
- 読了時間: 8分

「システム開発を外注したいけれど、どの会社を選べばいいか分からない」「見積もりがバラバラで判断に困っている」。中小企業や事業部門の担当者から、こんな相談をよく受けます。
確かに開発会社のサイトには「高品質」「短納期」「低価格」といった言葉が並び、違いが見えにくいのが実情です。かといって「安いから」で選ぶと、後で大きな失敗につながることも少なくありません。
IPAの調査によると、約6割のプロジェクトで遅延や予算超過など何らかの問題が発生しており、開発会社選びが適切でないことも要因の一つとなっています。つまり、最初の開発会社選定を慎重に行うことで、リスクを減らすことができるということです。
本記事では、初めて外注を担当する方でも安心して使えるチェックポイントをまとめました。完璧な会社を探すのではなく、自社にとって「十分に信頼できる」パートナーを見つけるコツをお伝えします。
システム開発 外注でよくある失敗例と成功のポイント

システム開発の外注で失敗する企業には、共通するパターンがあります。逆に言えば、これらの失敗例を知っておくことで、同じ轍を踏むリスクを大幅に減らすことができます。まずは、どんな選び方が危険なのかを具体的に見てみましょう。
「安い」だけで選ぶと起こること
見積もりが他社より大幅に安い会社には、必ず理由があります。経験の浅いエンジニアを投入する、必要な工程を省く、曖昧な仕様で契約して後から追加費用を請求する、といったケースです。
ある製造業の事例では、当初300万円の見積もりで開始したプロジェクトが、最終的に800万円になったという話もあります。「要件が曖昧だった」「この機能は含まれていない」という理由で、次々と追加費用が発生したのです。
技術力があっても失敗する例
逆に、技術力の高い会社でも失敗することがあります。高いスキルを持つエンジニアが、顧客の業務を理解せずに「技術的に優れたシステム」を作ってしまうパターンです。
出来上がったシステムは確かに高性能でしたが、実際の業務フローに合わず、結局使われないシステムになってしまった、という事例は意外に多いものです。
成功するシステム開発会社の基本条件
優良なシステム開発会社を見極めるポイントは、実はシンプルです。「業務理解」「適切な技術」「約束を守る」この3つができる会社を選ぶことです。完璧である必要はありませんが、この3点がそろっていれば安心してプロジェクトを進められます。
最初に確認すべき3つのポイント

システム開発会社の詳細を調べる前に、まず次の3点で大まかなふるいをかけましょう。
類似プロジェクトの実績があるか
最も重要なのは、自社と似た規模・業界でのプロジェクト経験です。小売業のシステムを作りたいのに、製造業ばかり手がけている会社では、業務理解に時間がかかりすぎます。
「実績」を確認する際は、単に件数だけでなく、業界、システムの規模、予算感が近いプロジェクトがあるかを見ます。できれば、そのプロジェクトの成功事例を具体的に聞いてみましょう。
要件をきちんと聞いてくれるか
優良なシステム開発会社は、必ず「なぜそのシステムが必要なのか」から聞き始めます。いきなり技術的な話や見積もりの話をする会社は要注意です。
初回打ち合わせで「今の業務フローはどうなっていますか」「どの部分に一番困っていますか」「完成したらどんな効果を期待していますか」といった質問があるかどうかが、良い会社かどうかの分かれ目です。
レスポンスが適切か
メールや電話への返答の速さと内容の丁寧さは、プロジェクト中のコミュニケーションを予測する重要な材料です。問い合わせから24時間以内に何らかの反応があり、分からないことは「確認してお答えします」と明確に返してくれる会社が理想的です。
曖昧な返答や、質問に対してピントのずれた回答をする会社は、後々苦労することになります。
システム開発会社の見積もり比較で必ず確認すべき3点

良い見積もりと悪い見積もりの違いは、一目で分かります。
良い見積もり | 悪い見積もり |
工程ごとに内容・期間・成果物が明記 | 「開発一式 ○○万円」だけ |
打ち合わせ回数や前提条件を明示 | 除外事項が書かれていない |
「○○の場合は追加費用」と条件明記 | 追加費用の条件が不明 |
良い見積もりは、「システム開発一式 ○○万円」ではなく、要件定義、設計、プログラミング、テストといった工程ごとに作業内容と期間が明記されています。
さらに、各工程で「どんな成果物を作るか」「何回の打ち合わせを行うか」まで書かれていると、より安心です。作業が見える化されている会社は、プロジェクト管理もしっかりしている傾向があります。
「○○の場合は追加費用が発生します」「△△は今回の範囲に含まれません」といった条件が明記されているかも重要です。一見親切でない印象を受けますが、後のトラブルを防ぐための配慮です。
契約前に確認しておきたいこと

良いシステム開発会社を見つけて、見積もりにも納得できたとしても、契約を急いではいけません。実は、契約書にサインする前の確認事項で、プロジェクトの成否が決まることも多いのです。特に以下の3点は、後でトラブルになりやすい部分なので、必ず事前に話し合っておきましょう。
担当者は最後まで変わらないか
プロジェクトの途中で担当者が変わると、それまでの経緯や要件の理解が引き継がれず、品質や進捗に影響が出ます。契約前に「担当者の継続性」について確認しておきましょう。
やむを得ず変更する場合の引き継ぎ方法についても、事前に取り決めておくと安心です。
完成後のサポート体制
システムは完成したら終わりではありません。運用開始後の不具合対応、操作方法の質問、軽微な修正など、継続的なサポートが必要になります。
どこまでが開発費用に含まれ、どこからが保守費用になるのか、サポートの連絡方法や対応時間なども事前に確認しておきましょう。
ソースコードは引き渡してもらえるか
将来、他の会社に保守を移管したり、機能を追加したりする可能性を考えると、ソースコードの引き渡しは重要です。「引き渡し可能だが別途費用が必要」という会社もあるので、条件を明確にしておきましょう。
システム開発会社を比較・選定する3ステップ

ここまでで確認すべきポイントは理解できても、実際にどんな順序で進めればいいか迷う方も多いでしょう。やみくもに多数の会社に声をかけても時間の無駄ですし、逆に少なすぎると比較検討が不十分になってしまいます。効率的かつ確実に良いパートナーを見つけるための、現実的な選定プロセスをご紹介します。
第1段階:候補会社の絞り込み
最初は5〜6社程度をピックアップし、ウェブサイトや資料で基本情報を確認します。設立年数、従業員数、主要な実績などから、明らかに条件に合わない会社を除外します。
この段階では、完璧を求めず「候補として検討する価値がありそうか」という観点で判断します。
第2段階:提案依頼と面談
3〜4社に絞り込んだら、簡単な要件書を作成して提案を依頼します。同時に、担当予定者との面談も設定しましょう。
面談では、要件に対する理解度、過去の類似プロジェクトの詳細、想定されるリスクと対策などを確認します。技術的な質問だけでなく、「どんなことで困ったことがあるか」「どう解決したか」といった経験談も聞いてみましょう。
第3段階:総合判断と成功事例
最終的には、技術力、提案力、コミュニケーション、価格のバランスで判断します。すべてが完璧な会社はありませんが、自社にとって最も重要な要素で基準を満たしている会社を選びましょう。
成功事例①:業務理解を重視した小売業
ある小売業では、技術力よりも「ヒアリング姿勢」を重視してシステム開発会社を選びました。初回打ち合わせで店舗業務の細かい流れまで質問してくれた会社に決定した結果、追加費用ゼロで予定通りリリース。「業務を理解してくれる会社を選んで正解だった」との評価でした。
成功事例②:サポート体制を重視したSaaS企業
SaaS企業A社は、当初フリーランス中心の安い見積もりを選びかけましたが、契約条件が曖昧だったため見直し。最終的にサポート体制を重視して中堅のシステム開発会社に依頼し、追加費用ゼロでスムーズにリリースできました。「長期的な関係を考えて選んで良かった」とのことです。
簡単チェックリスト

□ 類似業界・規模での実績がある □ 初回打ち合わせで業務内容をしっかり聞いてくれた □ 見積もりの作業内容が具体的 □ 前提条件や除外事項が明記されている □ 担当者の継続性について説明がある □ 完成後のサポート体制が明確 □ ソースコードの引き渡し条件が分かる □ レスポンスが適切で丁寧 |
8項目中6項目以上がクリアできていれば、まず安心できる会社と考えて良いでしょう。
まとめ:完璧より相性を重視

優良なシステム開発会社を見極めるコツは、完璧な会社を探すことではありません。自社の状況や要求に最も適した、「十分に信頼できるパートナー」を見つけることです。
業務を理解し、適切な技術を適用し、約束を守る。この3つの基本ができているシステム開発会社なら、多少の不足があっても協力して良いシステムを作ることができます。
逆に、どんなに高い技術力があっても、コミュニケーションが取りにくい、約束を守らない会社では、満足いく結果は得られません。
まずは今回紹介したチェックポイントを参考に、候補のシステム開発会社をリストアップしてみてください。そして、実際に話をしてみる中で「この会社となら安心してプロジェクトを進められそうか」という感覚を大切にしてください。数字や条件だけでは測れない相性も、成功には欠かせない要素です。


